- とも
- I
とも(連語)〔格助詞「と」に係助詞「も」の付いたもの〕(1)「と」で受ける語を強めて言い表す。
「君~お別れだね」「市長~あろう人がなんということだ」「長し~思ひぞはてぬ昔よりあふ人からの秋の夜なれば/古今(恋三)」
(2)同じ語を重ねて強調する場合, その間に入れる。「又蝶は捕ふればわらは病せさすなり。 あなゆゆし~ゆゆし/堤中納言(虫めづる)」
~あろうものがそのものの性質などから逸脱した行動をした場合に非難の気持ちをもっていう語。II「大学生~, 漫画を読んでるとは」
とも【伴】大和政権の特定の職務を世襲的に分掌する官人集団。 伴造(トモノミヤツコ)に統率・管理される。 殿守(トノモリ)・水取(モイトリ)・掃守(カニモリ)・門守(カドモリ)・史(フヒト)などが五世紀に成立。 部民制創設後は, 支配下の農民集団とともに部(ベ)に組織された。→ 部IIIとも【伴】姓氏の一。IVとも【供・伴】(1)貴人や目上の者につき従って行くこと。 また, その人。 従者。「大勢の~を従える」「お~しましょう」
(2)(普通, トモと片仮名で書く)能のツレの一種。 従者・太刀持ちなど軽い役の場合にいう。Vとも【共】(1)主となるものと同一あるいは同類のものであること。「スーツと~のベルト」
(2)名詞の上に付いて, (ア)主となるものと同一である, または同類であるなどの意を表す。「~糸」「~襟」「~切れ」「~柄(ツカ)」「鮎(アユ)の~和(ア)え」(イ)一緒に…する, 互いに…し合う, などの意を表す。 「~稼ぎ」「~食い」「~住み」「~倒れ」「~寝」
(3)複数のものを表す名詞の下に付いて, それらが全部同じ状態であることを表す。「五人~合格」「二人~猫好き」
(4)従となるものを表す名詞の下に付いて, それが主となる部分に含まれていることを表す。「荷造り料~千円」「通用期間は発売日~七日」
→ ともに(共)VIとも【友・朋】(1)親しく交わる人。 ともだち。 友人。 朋友(ホウユウ)。「竹馬(チクバ)の~」「昨日の敵は今日の~」
(2)志を同じくする人。 同志。「世界の~よ手をつなごう」
(3)常に好んで親しんでいる物。「書物を~とする」
(4)道づれ。 なかま。VII「月を旅路の~とする」
とも【部】⇒ べ(部)VIIIとも【鞆】弓を射る時, 左手首につける, 丸い革製の道具。 弓弦で手首や手首にかけた釧(クシロ)を打つのを防ぐのに用いる。 つるに打たれて高い音を発する。 革ひもで結びつけた。 古墳時代に行われているが, 平安以後は, 武官の儀仗用となった。 ほむた。「ますらをの~の音すなり/万葉 76」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.